2006年1月29日

博士の愛した数式

「博士の愛した数式」これだけ聞いたらちょっと内向的で暗い話な印象があったが、ぜんぜんそんなことはなく、始めから最後まで暖かい雰囲気で人の優しさを感じられるいい話やった。

事故の影響で80分しか記憶が保たない数学博士と、家政婦と彼女の子供「ルート」、そして博士の義理の姉の話。数学教師になった「ルート」が、博士と母と過ごした少年時代のエピソードを授業で生徒に語りながら話は進んでいく。それぞれのエピソードには"数式"が出てくるのだが、なんてことない数式が博士やルート先生の話で違った角度でわかりやすく説明されていて"生きた"ものに感じられる。

メインの登場人物は最初に挙げた4人と少なくて、固有名詞もほとんど出てこない。その分、それぞれの人物がしっかり描かれていて感情移入しやすくてよい。そしてその雰囲気を作るのにぴったりな役者陣やったと思う。寺尾聰さん吉岡秀隆さんという、"役"をまったく感じさせない自然体で、強く主張するわけでもないのになぜか説得力のある二人に加え、深津絵里さん。オレはどうしても、この役者さんはこういうイメージってのが付いてしまって、そうでない役を演じられると違和感がある場合が多いけど、深津絵里さんは、内気な役も、活発的な役も、この映画のような優しくがんばりやさんな役でも、ぜんぜん違和感なく観ることができたので、すばらしいなぁと改めて思った。また、少年時代のルート役の齋藤隆成さんだが、彼は見た目以外にも動きとかしゃべり方の雰囲気までも吉岡秀隆さん(ってか、純)にそっくりなのもリアリティがあってよかった。

尺の問題なのか原作から省かれたエピソードもあるらしく、また博士が数式の解説するところなんかも雰囲気が違うらしいので、原作も読んでみたい。

コメント[2]

観たよー。
http://d.hatena.ne.jp/tashin/20060127
皆さんいい演技でした。原作から省かれた話もあるんだねぇ。今度読んでみよう(予定)。
そういや、映画館のポストイットは書かなかったな。^^;

原作からけっこう大きな位置を占めるエピソードが省かれているようですので、読むべきでしょうね。
映画とは違った魅力があるらしいですよ。