2015年9月 4日

大地の芸術祭2015_Day1 AM

去年新潟に行った際にも立ち寄ったけど、新潟県の十日町市・津南町ほぼ全域で開催されるトリエンナーレ期間中に寄りたい。

とりあえず、この日は平日なので人気のありそうなところを目指し、まずは早朝に六日町側から中里地区に入り、屋外展示モノを中心に見て回る。

最初に出てきたのが、N054「うつすいえ、うつすにわ」。
廃屋利用で光ファイバーで小宇宙を表現ということやったけど、まだ開いてなかった。ざんねん。

道を進んでいくと、N012「中里かかしの庭」。
そこらじゅうにイメージカラーの看板があって、地図を見ながらでなくても作品を見逃さずに済む。参考になるなぁ。

N028「たくさんの失われた窓のために」。里山の風景をあえて窓から見るという作品。額縁的なのはあったけど、カーテン一つで窓から見たいになる感じが不思議。切り取ることで、変わる視点というのがいい。お気に入り。
N19「ポチョムキン」。廃材?のような鋼の壁を川の土手に風景に溶ける感じで並べられたランドスケープな作品。中には禅の庭やブランコなどもある。

結構な山を登ったところにあるN56「カクラ・クルクル・アット・ツマリ」。ここは来たかったところ。
天気はイマイチやったけど、すっかり頭が垂れた稲穂の棚田の中の道に、カラカラと音だけがする作品。これがいい。
ここまでの道中含めてお気に入り。

N56への途中にあったN020 「中里重地プロジェクト」。
この地区にあった家屋を解体された際に出た古材を並べて作られたポケットパーク。解説なかったら何かわからないやん、って感じやけど、その土地を見て作家さんが作品を作るというこの芸術祭のスタイルを感じられた。

芋川清津川フィッシュパークに作られた、3作品。
N034「エターナル」地元の土を用いて作られた陶の椅子の作品。この地域は縄文時代の火型土器の故郷ということで、作家さんが焼き物に適した土を探スト子から初めて作られた作品。まさに里山の芸術祭。
N070「ここで、深呼吸。」生花の草月流家元による、竹のインスタレーション。日よけにもなり、川の風を感じることもできる。
N058「きよっつ」まだ開いてなかった。

N010「日本に向かって北を定めよ 74°33'2"」ロンドンにある作家さんの家の輪郭構造を方位を保ったまま再現ということで、日本だとほぼ屋根が下になった感じ。発想がSFチックで面白い。ぜひ世界中に作って欲しい。

十日町エリアへ移動。
T155「再構築」。駐車場から草原を抜けると出てくる丸い鏡で覆われた家。
景色が写っているので同化しているような感じ。同化するポイントを探してクルクル回りながら見たりと色々楽しめる。
何千枚もの鏡は作家さんが手で磨いたものだそうで、そのランダムさもあり、風で揺れる感じもいい。これも結構お気に入り。

今回評判が高いT325 T326の「Kiss & Goodbye」。JR飯山線の越後水沢駅と土市駅の駅前に作られた、絵本の世界の展示。
台湾で有名な絵本作家の方の作品なのだが、十日町でよく見かけるかまぼこハウスをアレンジしたこと、駅前だけに主人公が列車で都市を回る作品を再現したというところも、すごくイメージが湧いて素晴らしい。主人公たちが乗った列車の車窓からは越後の風景がちらちら見えたりという演出もいい。
係りの方が早めに来られたので、開演時間前に貸切状態で見ることができてすごく良かった。

T328「森林梦境 森の夢」駐車場から河原を歩き社とお墓を抜け少し森に入ったところに現れる樹脂製彫刻。道中から作品な感じがするのと、ガイドブックはイラストだったのでどういう作品かわからなかったが、突然自分よりもでかい作品が現れ、また木漏れ日の感じもあり不思議というかリアルな幻想的で不気味な空間。うまく言えない。

一気に北上して下条エリアへ。神明水辺公園での鏡の天井のステージ T112「バタフライパビリオン」。明日イベントがあるようなのでそこでくることにする。
一本の木を見るための地下室T020「小さな家」雨上がりなのでちょっと厳しかった。

ここから山の中に入っていくのだが、道中は黄色看板と、かかしさんの道案内で細かく誘導してくれる。

T259他多数の展示がある[もぐらの館]。閉校になった小学校を丸ごと展示場にした作品群。ここはモグラの巣に見立てた土に関する作品が並ぶ。
廊下はウッドチップで埋め尽くされ、左官職人や陶芸家、染色など、隣の教室に入るたびに違った作品がどんどん出てくるという楽しみがあり、教室によっては授業で使っていた雰囲気を残しているところもそれはそれで良い。
このような閉校を利用した展示は初めてやったけど、この後の廃校の展示も同じやけど、人がいなくなった山奥の廃校に、世界各地から人がたくさんやってきて、ガヤガヤ賑やかなのは、この芸術祭の特徴であり成功しているところやと感じた。
文句なしに良い展示。ここは芸術祭期間中のみの展示だそう。ちょっと残念。

T120他の「うぶすなの家」。こちらは2004年の中越地震まで使われていた茅葺きの民家で、家自体と現代陶芸家の作品が多数展示されている。
人気なのは、ご近所のお母さんたちによる地場食材を用いた里山の定食。たまたまオープン前に着いたのでお母さんが先に整理券をくれた。
待っている間並べ方含めて器を見てるのも楽しいし、使われていたのだろう家具もいい感じだしゆるりと見て回れる。
11時になって居間で食堂がオープン。囲炉裏を囲んでお客が並ぶのやけど、だんだんお客さんが配膳とか手伝うという、常連さんなんか店員さんなのかみたいな光景が、初めて来た人たちとお店のおばちゃんたちとの間で自然と交わされる。多分ここにいる若者たちは普段そういうのやらないのだろうけど、自然とそういう風にやろうと思える雰囲気が生まれるのは素晴らしい。そういうイベントに育ってるんやなぁ。いいなぁ。

大地の芸術祭2015_Day1 PM

次の目的地へ向かう途中の道にも作品発見。K033「境界の神話」作品やけど遊具だそう。
と、その奥にも看板があったので、少し道を入るとK090「けれども、確かにある光」。こちらのぶなの木学舎は期間中のみ展示会場となっている民家。200年以上前のものだそうだが、気密性も断熱性も高くなってて、長寿命省エネ住宅の実例として発表されてたそう。
で、ここでは、日本画家の田中芳さんの、学生時代から晩年までの自然をテーマにした大型の作品を中心に囲炉裏などの部屋で展示されている。シンプルな作風が古民家にマッチしていて美術館で見るのとは全然違う雰囲気で楽しめた。

ナカゴグリーンパークへ。ここにはバンガローの建屋なども含めて15ほどの作品がある。
で、ここにあるK005「光の館」へ。ここは宿泊施設だそうでリゾート地の別荘みたいになっているのだが、メインは天井の一部がスライドして開閉する和室。
週末だと人が多くてゆっくり見れないそうだけど、この時はお客が少なかったので、「ゴロンと寝てゆっくり見ていってください」、とのでえらくラッキーやった。
天井を枠にして空を見る作品は直島などでも見てきたけど、この和室で自然の音や空気を感じながら青空とそこに流れていく雲を見ているのが気持ちよくて、ずーっと見てられる。ってか居合わせた皆さんずーっと見てた。
この建屋は光の館と名前が付いている通り、自然の光をどの部屋でもたっぷり取り込んでいるし、一方でLEDで照明の色合いも変えられるようになっている部屋もあった。
今日はここまで天気がイマイチやったけど、運がいいことにここに着いたら晴れてきたので、ただ晴れるでもなく雲が流れていかないとこの楽しみは味わえないとのことで、とてもついてた。ここはかなりお気に入り。

ナカゴグリーンパークの他の展示も見ようと思っていたけど、光の館の和室で空見ながら係りの方や他の来場者と話をしてたら、「せっかく平日に来たのだから、週末混むところから回ったほうがいい」と言われたので、明日行こうと思ってた混むらしいところを今日のうちに優先してみることにした。

今回の展示で日を重ねるたびに話題になって平日でも列ができるほどの人気の、十日町の中心地にあるコインランドリーを使った作品、T314「憶測の成立」。行ったら確かに並んでた。体験した人にしかわからない撮影・ネタバレ禁止の作品。出口のところで居合わせた皆さんとアレとかコレとか、いやーすごいですねぇ。とテンション上がる作品。これを実際に作ったというのがすごい。

十日町の中心のランドマークであり、大地の芸術祭のメイン会場でもある、T025越後妻有里山現代美術館「キナーレ」へ。
ここでは美術館内の作品やカフェ、周辺に20ほどの作品がある。ここの室内展示は去年旅行できた時に見たのと同じなのでささっと見て、周りのを中心に見る。
回廊の中央にある池には巨大オブジェ T307「蓬莱山」と回廊には藁細工が吊るされており、ずいぶんにぎやかな雰囲気になってた。
芝生広場の地下では、ベネチアビアンナーレの日本館代表でもあったT304「モグラTV」。Ustの生放送だけでなく、キナーレで放送されているラジオの生放送も芝生地下で放送されていて、地上の穴から声かけたりできるようになっている。

明日混むところを先にと思ってたけども、やっぱり寄り道してしまう。
T067「アスファルト・スポット」。うねうねした駐車場(止められない)だけど、これは元の地形をそのままアスファルトで固めたものだそう。土だったらなんてことないんだろうけど、アスファルトがうねってると歩いてて不安定感がハンパない。見た目以上に体感しないとわからない不思議な作品。

T173「絵本と木の実の美術館」へ。廃校になった真田小学校全体を使って最後の生徒となった3人の小学生をモチーフとして作られた絵本作家さんによる作品。
教室を進んでいくとページをめくるように話が進んでいく感じで、絵本の中に入ったという体感ができる。2005年に廃校になり2009年から展示されているのだが、今年新しいストーリーが足されるという現在進行形の常設作品。
こういうコンセプトがこの芸術祭らしいと思う。これもお気に入り。

D053「農舞台」へ。この松代地区の中心地にはここを中心として城山含め50くらいの作品がある。
常設分は去年旅行で来た時に見たのでさらっと見て回る。
と言いながら去年も見たD001「棚田」の農作業をする人をかたどった像と、それを「農舞台」のテラスから見ると空中に吊るされた文字でその解説がわかるというアナログな作品がやっぱり面白かった。
D061「花咲ける妻有」の草間彌生さんらしい存在感あるオブジェに、松代の全世帯分の屋号が書かれた1470本のカラフルな板D054「まつだい住民博物館」もいかにもないい作品。

さすがに運転疲れてきたのか、作品見すぎたのか、やけに道を間違えてる途中に見つけた作品、D104「マザーツリー空中庭園」。わざわざコンクリの階段の上に植樹された木の作品。この木を見るために階段を上ると植物公園をぐるっと見回すことができるというもの。

なぜか道を間違えまくってやっとたどり着いた(そんな間違えるほどのところではなかったのに)D330「ドクターズ・ハウス」。診療所だった空家に、病院の感じと鏡を使ったインスタレーション作品。空家を使った今年の新作ということで人気があるが、駐車場がすごくちっちゃいので平日なのに結構待った。
くらい診療所、合わせ鏡を用いることでの無限空間という雰囲気からも不思議で少し不気味な空間を作られている。世界観がすごい。

M043「土石流のモニュメント」。
かつての地震で起こった土石流で埋まったところを黄色いポールで囲った作品。再び崩れる可能性もあり、その分をうけられる砂防ダムが作られている。砂防ダムの麓にある仮説っぽい小屋での資料館や、今でも川にかかる橋の下も土で埋まっているのを見るとその凄さを感じる。
他の展示は地元やボランティアの方が説明員としておられるのだが、ここはこの砂防ダムの建設をされている方が説明員として立っておられた。ダム好きとしてはいろいろ聞けて楽しかった。

時間的に閉館時間になったので、宿に向かう方向で日没まで中里地区の屋外展示を見て回る。
N060の越後田沢駅前の「船の家」とその中の作品。晴れてると木の隙間から日が差していい感じだそうだが、雨で残念。
N046「遠くと出会う場所」午前に見た町を見下ろすところの「窓」の作品と同じ作家の作品で、こちらは花壇の先に天へのはしごが浮いているというもの、これも不思議な空間。

N001「鳥達の家」作品群がある公園ミオンなかさとのシンボル的作品。20mくらいの高さなので雪が降ってもわかるそう。N002「ブルーミング・スパイラル」要するに公園の花壇なんやけど、15年前に住民と一緒に作られた作品であるので、今でも住民の方が手入れしてはるそう。なるほどスパイラルなんやなぁ。N003「河岸の燈籠」ようはデザイントイレ。夜には灯籠のような明かりが灯るらしい。N004「温かいイメージのために-信濃川」丸い起伏のある公園。これら4作品は日帰り・宿泊温泉施設の周りという人が集まるところにあって、ちょっと散歩にいい感じ。

N069「川の記憶」田んぼの向こうに、漁師や屋形船の巨大パネルの作品。ちょうど稲穂が水面のようになっている。雨が強くなってきたので近づくのはやめた。
N005「妻有で育つ木」空中に浮課されたプランターで育っている木。かれこれ15年あるそうだが、どこまで育てるんやろう。
N006「一番長い川」信濃川沿いに建てられた電柱に、「川の記憶」で公募した詩が刻まれている。電柱というところがなんともいい。

日没になったので今日の作品巡りは終了し、前回十日町に来た時に食べ損ねたへぎそばを食べに、名代生そば由屋さんへ。
コシが強くてツルツルした食感が良くって(感想が讃岐うどんみたやなぁ)、どんどん食べられる。ちょっと多かったけど。
かなりの名店やったらしく、帰る時には、閉店時間までまだまだ時間あるのに売り切れで閉店になった。

かなり数回ったけど、見たいところはじっくり見られたのでよしとする。

2015年9月 5日

大地の芸術祭2015_Day2 AM

今日は西側を中心に回る。
バス停のながーいベンチK-034「パッセージ」。ただの長いベンチかと思いきやそれぞれにメッセージや挨拶が書かれていて、ゆっくり歩きながら読むのが楽しい。

K-088「LACHIKU_PENTA」河岸段丘の上の絶景の高台的なところに作られた竹のトンネルと竹で作られた犬(?)。この犬(?)たちが各々高台から、盆地、信濃川や山々を眺めている感じがすごく良かった。かなりお気に入り。

仁田エリアを回る。
K-086「越後妻有レインボーハット2015」鳥の形をしたシェルター。太陽光が虹色に映るようになっていたりするそうなんやけど、曇ってて残念。
K-087「雪の恵み」。豪雪地なので、その雪の重みで根が曲がるそうで、その根が曲がった木を用いてのオブジェ。
K-019「この大地と空の間」大きな鉄の輪が浮いてるかのように見える作品。

松代の北側峰方山平エリアへ。まずは松代芝峠温泉にある作品。
D-051「視点」。正方形のパネルがずらっと並んだスクリーン越しに山々を見ると粗いピクセルの絵のように見えるから不思議。これは面白い。
D-052「回廊...時の水脈」石器のような岩を用いた作品。枯山水的な感じなのかな?
D-050「ジャックインザボックス」。このイベントのハガキになるくらい代表する作品なのだが、ちょっと藤に侵食されすぎなんやないかなぁ。
なんやないかなぁ。
D-132「マウンテン」山々と棚田を見渡せる高台にあるチューブを曲げた感じの作品。

さらに離合困難な道を走り、桐山地区へ。ここでは3件の空家を利用した展示。
D-325「BankART妻有」。アート集団「BankART」と建築の「みかんぐみ」による古民家再生プロジェクト。3階建ての家に50組ほどの作家さんの作品が各部屋に、あからさまだったり、自然な感じだったりで置かれている。着いた時に係りの方が普通に台所を掃除してはったり、窓を拭いてはったりで、普通にお宅にお邪魔したかのような雰囲気で、雰囲気も含めて空家が再生されている。ここもお気に入り。

D-102,D-266「ファウンド・ア・メンタル・コネクション3」
こちらも空家を使った展示で、ここに住んでいた姉妹の方の思い出話をもとに作られた「ブランコの家」は、ブランコなどが光の中で揺れる作品。家自体がかなり年季が放っているのでかなり印象的。
D-209「静寂あるいは喧騒の中で-手旗信号の庭」薄暗い家の中で、強い色の明かりで照らされたオブジェのインスタ。一つの作品が音を鳴らしての作品だったが、それが地区に響き渡るほどの静かな作品群やった。

D-208「インターローカル・アート・ネットワーク・センター」大地の芸術祭をはじめ、各地の芸術活動の資料が集められている。
今回はその資料をD-323「ツマリ・ジオラマ」という、元体育館だったようなところに板を張り合わせて作られた巨大ジオラマの棚に置かれていた。ジオラマの中を歩きながら資料も見られる面白い展示。
さらにここでは、D-324「Self Community峰方について」で、近隣の24名の集落の方々の記憶が箱に詰められていた。お子さんの小学校時代の文集とか、家を改装したようなときとか、各家庭いろんな大事なもののコピーがアーカイブされている。
で、ここでオフィシャルカーがやってきた。これもかっこいい。

D-329「狐の棚田プロジェクト」前回の芸術祭のときに整備された棚田。この地域に残る民話の三九郎キツネにちなんで39の棚田が作られている。で、さらにこの日のイベントで、「キツネ田野倉ン」というマラソンイベントが実施されていた。参加条件は狐の仮装。かなかな面白かった。

棚田のところからさらに奥に入ったとこにある D-328「つんねの家スペクトル」。
藁葺き屋根の空家を見た作家が、ここで住んでいた女性の生活を想像して作られた、ハサミや包丁のぬいぐるみのインスタレーション。
なかなかわからないけど、近所の人達も協力してぬいぐるみを作成されたというエピソードがいい。

さらに奥に進むと、D-103「明後日新聞社文化事業部」。2003年の芸術祭の際に廃校になった小学校を拠点に始められた地域情報の新聞を発行されているそう。こちらの建物を覆うように地域の人とともに育てられている朝顔の種が全国に広がるというコミュニケーション年とワークが広がっているそう。明後日新聞は月1くらいで発行されているそうだが、こちらを始めた日比野さんの手書き文字で作られたビビノフォントで書かれているのも特徴。
地域の方とのワークショップや活動も展示されていた。

奴奈川エリアへ移動。
空家になって30年経つ家の壁をぶち抜いて、金属を溶かして吹き付けたD-215「コロッケハウス」。壁が完全にぶち抜かれているので、二階に上がると縁の方へ行くのが怖いけど、外を見ると家が額縁のようになって風景を見渡せるところが印象的。

コロッケハウスの隣には、煤で黒くなった木造の古民家の柱、床、家具とありとあらゆるところを彫刻刀で削られた、D-143「脱皮する家」。彫刻刀で削ってあるけど、そげが刺さるようなこともなく、とにかく途方もない作業が見える。
床板も削られているのだが、その凹凸が結構気持ちいい。ちなみに、ここは宿泊施設としても使えるそうで、芸術祭期間外でも見学できるそう。ここも結構おきに入り。

コロッケハウス、脱皮する家と同じ集落内にある、D-217「庭が生まれるところ・・・そして」、D-337「空を見上げる」他いくつかの展示。
地元で作られた石鹸を用いた作品や、戸や窓の格子に貼られたフィルターの絵、自然に近い形の庭と、いくつかのインスタレーション。ここの作品はバラバラのインスタレーションだけど、緑、黒、白と、特徴的な色で作品周辺も含めた作品という共通点が感じられた。

奴奈川エリアの中心になっている、D-331「奴奈川キャンパス」へ。ここも廃校になった学校を利用されているが、他の展示場になっている廃校と比べるとかなり大きな学校で、今でもたくさんの児童がいそうな現役の印象で、食や農業について実践的に学べるワークショップが開かれているそう。
ここでは、校章をかたどった塔、木材を貼り付け削り出した壁、教室に残っていた標本や椅子を使ったインスタレーションなど、たくさんの作品が展示されていた。また、こちらには学食形式のカフェテリアがあり、里山の定食をいただいた。

大地の芸術祭2015_Day2 PM

次のところを目指してる看板が見えたので寄ってみた。
ちょっとした広場にポツンと立ってたY-031「コンピュータ穴居人のための家」。
穴居人の原理と言うよりも、そのうちこんな風に戻るだろうということかな。ま、たしかにこれで足りるのかもしれない。

2009年の芸術祭のおりにオーストラリア人アーティストの展示場として、空き家を改装して建てられたY-082「オーストラリア・ハウス」。期間外にも日本とオーストラリアの交流の場として使われていたが、2011年の長野の地震で全壊。2012年に、交流の場を絶やさないように丈夫でコンパクトな建物に再建され、Y-083「ディラン・ンラング-山の家」など新たに作品を展示されている。東北の件で影になってたけど、こっちでも絆があったんやなぁ。にしても黒い縁側は気持ちよかった。
Y-090「2000のわらじと200の足」2000枚の銅板をつないで作られた小屋。それぞれの銅板には地元の人の履物がエッチングされている。今回の展示でもいくつかあったが、小さいながら途方もない作品。

松之山エリアへ。峠を越える道を走ってると温泉だったか?に作品の看板が見えたので寄ってみた。
Y-099「うたかたの歌垣」茶室なのだが、屋根は作者が長いことかけて集められたカラスの羽だったりと、これまた途方もない苦労の作品。

道を間違えたかと思うところを走ってたどり着いたY-013「夢の家」。駐車場は狭いが人気スポット。一階はだいぶ見慣れてきた古民家な感じだが、二階の宿泊できる部屋は、暗めで赤とか青とかの部屋。箱で寝るのだそうで、そこで見た夢を箱の中にあるノート「夢の本」に記すのだそう。ゆっくり寝られるのかなぁ。

夢の家の隣にはY-035「エリクシール/不老不死の薬」。地元の薬草などを使ったリキュールが並んでいる、地元ならではの知識が取り入れられた作品。なによりタイトルが絶妙。
すぐ近くにも古民家をつかったY-036「収穫の家」、Y-037「米との対話」。
収穫、織物、炭など生活の糧となるものをメインに扱った部屋で構成されている。空間だけでなく藁や米を使っているので香なども楽しめた。

松之山の温泉街入り口にもモニュメント的な作品Y-011「渓谷の燈篭」、自生する植物の生態を記録している作品Y-012「メタモルフォーゼ-場所の記憶-松之山の植生を探る」。

民家まるまる漆黒にして室内には調理器具が積まれた、食をテーマにしたY-069「黎の家」。ここではY-096「ザ キュウリ ショー」というイベントが開催されていて参加した。この土地で食べたキュウリがあまりに美味しかったので、世界中のキュウリの調理方法を研究された作家さんのトークをききながらいろんあ調理されたキュウリをいただくというもの。たしかにキュウリがおいしかったし、あんなに世界中で食べられていて調理方法があんなにあるのも驚いた。とにかくキュウリばかり食べ、いろいろ解説がはいれども、美味しいでしょ、と言われ続けているだけのような、でも居合わせた皆さん和気藹々とできて楽しいイベントやった。

Y-072「家の記憶」。家中に張り巡らされた黒い糸。それに、近所の人から預かった、要らないけれど捨てられないものが編み込まれている。空き家になっても人が住んでいたことを家が記憶しているダイレクトなメッセージを感じられた。

廃校を利用したY-052「最後の教室」。大きめの学校だったようで、各階に渡っての展示になってた。全体的に外からの光を遮断しているのだが、とくに入り口の講堂のて展示は最初は目が慣れずにあまり見えなかったが、一通り回って、最後にもう一回きたらじっくり見えるという、偶然かもしれないが、おもしろい感覚があった。講堂の舞台に腰掛けて無数の明かりを見ているとなんとも不思議で気持ちのいい時間やった。

一気に移動して、昨日行きそびれた、T-214「もうひとつの特異点」へ。またしても、黒く塗られた空き家に、ワイヤーが張り巡らされている。そのなかにあるものが見えてくるようになっていて、それがどこで見えるかを探すというもの。結構個人差があるみたいで、こっちからがいい、あっちの方がいいと、なかなか楽しめる作品。タイトルも絶妙。ここは、お気に入り。

昨日きた公園でダンスイベントがあるということで見に来た。E-031「つまりは、ダンスでコマーシャル。」。劇団の方々が各会場を回って作られたコマーシャルダンス映像作品があり、その上映も合わせてのダンスパフォーマンス。ゆるい感じながらもパワーある不思議な空間やった。

十日町駅周辺まで夕食を食べに戻る。おめあてのお店は混んでたのでぶらっと歩いて津南豚の丸天さんへ。焼き豚の乗った豚丼は当然ながら、ホルモンの盛り合わせがものすごく脂がのってておいしかった。
で、せっかくなので街中を歩いて、道にペイントされたT-317「チョマノモリ」も見る。お昼なら子供がこの絵を使って遊んでそうな作品。

今日も盛りだくさんやった。

2015年9月 6日

大地の芸術祭2015_Day3

今回の宿は、南魚沼市の六日町温泉にある越路荘さん。
広い部屋に広いロビーにと雰囲気からもゆったりできる宿。何より最上階にある露天風呂が、朝の霧がかかった山々とか見ながらの源泉掛け流し。
芸術祭やなかったら、宿でもっとゆっくり過ごしたかったなぁ。

今日は津南町の会場をまわる。
まずはマウンテンパーク津南へ。公園というよりはスキー場。
入り口付近に、M001「ドラゴン現代美術館」という名の登り窯。登り窯を使って他の作家さんの展示をしているようで、コンマイは、M049「Thrown Rope for Japan」のロープを投げてそのラインに沿って花を植えるという作品が登り窯の周りにあった。
マウンテンパークの池のほとりには、M002「カモシカの家族」、M005「再生」、M024「0121-1110=109071」の作品。
ここで、一番良かったのは、M003「森」。地域の方から集めた鉛筆をかまぼこハウスに森のように並べた作品。向こう側も見えるようになっていて、本物の森も見えるようになっている。

マウンテンパーク津南に行く途中にも幾つかあった。
もともとここに住んでいた方が子供のために作った小屋を使った、M048「恒河舎」。風景を模した磁器の彫刻に、キラキラした部屋の装飾は子供も楽しめそうな感じがする。
M011「かささぎたちの家」は、一ヶ月かけて焼き上げた陶の家を中心とした公園なのだが、韓国人の作家さんがスタッフと一緒に半年以上もこの地に住んで、子供は少ないが公園を作ってあげて欲しいと言われて作られたそうで、地元のために作られたと言っても過言ではない作品。
M026「時を越える旅」。手でうごかしたりすると回る凸型の鏡で、離れて見ると地面から風景から空まで見える。ここはゲートボール場にもなっていて、自然と人が集まるところ。で、そこには、この地域の公民館でのM047「アジアインフォメーションセンター&カフェ」。まだ開いてなかった。先の2作品が中国の方と韓国の方が長期滞在されて作られたということで、ここがアジアへのプラットフォームとなる場所だとのこと。

M037「Air for Everyone」板金屋さんだった家で、柱に埋め込まれたリードやローブで繋がったふいごによる楽器が所狭しと並んでいる。
柱にリードが埋まっていてフイゴの先を当てるとハーモニカみたいになったり、足踏みミシンを回すと風が起こって、笛を鳴らしたりと、古民家ならではな仕掛け満載。
ここでは、ボランティアの方に加えて、ご近所の方も説明員としておられて、古民家に残る、冬に雪から窓を守るための板をはめ込むところとか、色々説明してくれはった。
そういうのも含めて、ここはかなりお気に入り。
ここの表では、おもてなし隊の名水のサービスと地元野菜などの販売があった。こういうふれあいもいい。

M039「津南のためのインスタレーション-つながり-」。機織り工場だったところを使った作品。機織り工場だけにすごく長い空間を用いている。
子供が遊んでいるところに感じるが、1階は外からの明かりを閉ざしTシャツが行灯になっていたり、おもちゃが光っていたりという作品。二階は外からの光を取り入れ白ベースの作品となっていて、陰陽を表現しているそう。
特に、Tシャツの行灯は、暖かくもありつつ、暗い廃工場ということもあってか怖くもあり、かなり印象的な作品やった。

M044「work in progress, for Echigo-Tsumari」。保育園だったところを使った作品。建物内、外壁、敷地のいたるところを1本のスロープでつなぎ、地域の方の思い出の品などが並べられた作品。まさに近所の方々の協力なしでは成り立たない作品。
ちなみにこの地区の方は入場無料とのこと。
外丸保育園の中では、休憩所に加えてこの集落の紹介やここで作られたわら細工などの販売もあった。

外丸保育園の隣にある、外丸矢放神社の境内に作られたM040「ミカドゲーム」。ヨーロッパではおなじみのミカドゲームのデカイ版。
で、こちらの神社の参道にもおもてなしの休憩所があり、飲み物や、取れたれプチトマトなどが冷やしておいてあった。こういうのは本当にいいおもてなしやと思う。

かつて旅館だったところでの展示。 M045「真夏の夜の夢」。走馬灯を用いて仕切りのスクリーンに投影される動く影の空間作品。他に、M046「Light book - 北越雪譜」もある。置いてある本のページをめくるとそのページの絵がプロジェクションされる作品。気がつけば、この三日間かなりの数の現代アートを見てきたけど、初めての最新技術を用いた作品で、逆に新鮮。
あといろんな作品があったが、特に番号はついてなさそう。でっかい猫の目が鏡になってて前に立つと猫の両目に自分が映る作品はなかなか面白い感覚。

市街地から30分ほど山奥に入り、かたくりの宿へ。雨が降ってくるは、そこそこの狭い道で疲れた。ここは廃校になってから90年代のふるさと資源活用事業で宿泊施設となったところ。一時休まれていたそうだが、芸術祭の折に再び営業を始められたそう。
そのプールにM014「Melting Wall」がある。プールの上にガラスを置きそこに水を流すことで、プールの中から空を見ると揺らめいて見えるのを再現した作品。なおこの水は、かたくりの宿より高いところにある水源からサイフォン式で流れているそう。

こちらは作品ではないけど、カタクリの宿から谷間へ降りていくとある、映画のロケ地にもなった吊り橋「見倉橋」へ。久しぶりの吊り橋。ザ吊り橋という感じの、幅と高さにシルエット。すごくいい。かなり手入れされているみたいで、集落どおしを結ぶという重要さも感じる。

そば・豆腐料理のお店、大平さん。庄屋作りの広いお店。200年前の建物を改築しているとのことで、雰囲気もいい。そばと豆腐もある定食をいただく。

国道405号線を走ってると気になって仕方がないすごく高い段丘、沖の原台地。登れる道があったので登ってみた。上では広大なひまわり畑があるそうだが、まあ、季節外れやったので見られなかった。

M019「記憶-記録 足滝の人々」足滝地区に住んでおられた全員をかたどった鉄製人型が河原に並んでいる。今回の芸術祭でこの手のは多いけど、やっぱり全員というところがすごいなぁ。
飯山線の足滝駅。新潟の端っこの駅。駅舎はなくて待合所のみ。こういう場所の割にはと言っては失礼やけど、なかなか綺麗な待合所やった。冬はこれじゃないと厳しいんやろなぁ。
足滝駅のすぐ隣の湧き水を用いて作られた水琴窟、M051「ここにおいて津南の音」。雨が降ってたので、いまいち水琴窟な音は聴けず。

長野との県境にある、M052他の「越後妻有 上郷グローブ座」。中学校だったところを利用した劇場とレストラン。幾つか作品が並んでいる。表のM053「Untitled project for Echigo-Tsumari」は台風で被害を受けて修復が終わったところだそう。メンテも大変やなぁ。レストランはさすがの人気で入れなかった。
しかし、廃校になった感が全くないくらい普通に中学校やった。

エリアが広かったので移動が大変やったけど、その分、普通ならそんな奥まで行かないところにあるいろんな集落で、廃校になるくらいの場所に、来場者に運営者、世界中から多くの人が集まってきて、そして地元の方も一緒に笑顔で会話する。まあ、よくあるセリフだけど、ここまで(少なくとも表向きは)バッチリできるもんなんやなぁ。ほんとすごく楽しめた。
多分、もう3年後の次の分も進んでいるんやろなぁ。時間あればボランティアスタッフもやってみたいなぁ。
うちからの往復合わせて、13449km。走ったなぁ。

2015年9月20日

トーキョー

トーキョーへ。
早く目覚めたので、新幹線使わずに東海道線とロマンスカーで行ってみる。
いや。遠かった。

練馬区立美術館へ。開館30周年記念でアルフレッドシスレー展をやってた。国内にあるシスレーの作品と、シスレーが描いたセーヌ川の様子、影響を受けた日本の絵画と、シスレーだけでなくそのつながりの展示。
作品数は少なかったけど、ロワン河畔とか見たかった作品が見られたので満足。結構日本にもあるんやなぁ。

池袋へ。すごい久しぶり。
ばんからさんの角煮のつけ麺。
TDW.tvの間のCMで流れるそごうのが気になってたので、寄ってみた。屋上のモネの庭園。よく作らはったなぁ。

代官山へ。
とりあえず、蔦屋書店へ。MotoGPんマシンが置いてあった。さすが。
で、先週できたばかりのBrompton Junction Tokyoさんへ。イベントでたくさんの人が来ていた。店の表にずらっと並んでるのささすが専門店、と思ってたら、店の表のは客のんらしい。いやはや壮観。俺のも持ってきたかった。

上野へ。
東京都美術館でのモネ展へ。久しぶりの日の出が見られるというのでテンションが上がる。
昼間はすごい混んでるらしいが、夜までやってるので、空いてて快適。
印象派の始まりでもある「印象、日の出」は、そういう経緯もあわせて一度見たら離れられなくなる。睡蓮も数多く展示されていたり、マルモッタンらしく家族の肖像なども変わったものが見られた。絵画を始める前の若い日に描いていたエンピツの風刺画から、解説にまで「モネの庭を知る人でも何を描いているかわからないだろう」とまで書かせた晩年のオレンジと赤の模様みたいな作品まで、いわゆる印象派展とも違うし、これまでのモネ展とも違うモネが見られた。
でもって、モネのパレットとメガネも展示されていて、すごい感動した。

六本木での、ベルギービールウィークエンドへ。
名古屋とかと比べると会場自体はそんなに広くないが、盛り上がりがハンパない。さすがトーキョー。

酔い覚ましに、ちょいっと歩いてみる。
六本木からちょいっと歩いてトーキョータワーとか贅沢な散歩道。

今日は詰め込みすぎた。


2015年9月21日

トーキョー

21_21 Design sight での動きのカガク展へ。
その名の通り動く作品展。
ベルヌーイの法則を体感できるもの、トーキョーの地下鉄の走ってる様子のインスタ、指差した方向を向く矢印の作品は長くやってると言うこと聞かなくなったりと、まぁパッと見て何かわかるんやけど、実際に見て触らないとわからない体験型なのが良い。
会場に設置しながら色々調整されている様子の会場メイキングの映像も良かった。

庭園美術館でのアールデコ邸宅美術館展へ。
旧朝香宮邸の建物と家具や調度品と、アールデコのコレクターの方の家具やポスターなどの2会場での展示。アールデコという流れが家具からポスターまでありとあらゆるものに取り入れられていたというのが感じられた。
館内を見てるのもいいが、庭でゆっくりするにもいいところ、さすが庭園美術館。

銀座へ。いつものいし井の南蛮せいろを食べようと思って行ったら、建物が回想ということで閉店になっててかなりショック。いし井ロスはでかい。
一通りぐるっと回って買い物して帰る。