2018年3月19日

ストラスブール

ホテルの朝食。セルフのゆで卵茹で機があった。卵を置く専用台とか文化やなぁと思う。

朝一で、今回の旅行で一番行きたかった、ストラスブールとケールの間の国境へ向かう。

まずはストラスブール駅へ。
駅にはユーロの国旗がずらっと並んでいた。さすがストラスブール。

トラムはストラスブール駅の地下にホームがあった。グラーツなども同じだったがトラムの終着が国鉄の駅にならずに貫けるので効率が良くていい。
ストラスブール駅からD線のトラム一本で20分で国境を越えるのだが、実際乗ってみると、なんの前触れもアナウンスもなく国境を越えた。フランスとドイツの国境の中では一番の要所のはずだけど、日本の県境より境い目感はない。
ケール駅で降り、国境らしいものを探しに歩いて橋へ向かう。
パッと見たところ、ライン川にかかる橋は、トラム+歩道橋と、車道と、少し離れたところの歩道橋のみ。
で、車道のドイツ側にやっとユーロ共通の国境看板があった。側にある建物はもともと国境検問所だった感じの建物があった。逆にフランス側には全く残っていない。

実は、国鉄のケール駅にトラム開通記念の色々展示されていたらしい。調べて行けばよかった。あとフランス側にもちょこっとあったらしいが見つけられなかった。

しばし、ケールを散策。ケールもストラスブール同様にドイツとフランス両国を行き来した街。印象としては、駅から商店街と住宅地が広がっている静かな街。イメージのドイツとは違う雰囲気の街。

国境の公園の看板的に、ライン川を挟んでドイツ側とフランス側両方の案内が載っていた。こういうのもいい。
公園には黄色い花が咲いていたので、本当なら今頃は春を迎えていい感じの公園なんだろうなと思うが、昨日からの雪で真っ白。残念。

公園の中央にある2002年にかけられた歩道橋でフランス側にもどることにする。
歩道橋は中央に少し広いところがありベンチが並んでいて、ゆっくりと流れるライン川を眺められるようになっている。ただ、今日はめっちゃ凍ってるので座れない。

住宅街がそのまま国境になっているオランダとベルギーみたいなのもあるが、ここは戦争が繰り返されてできた国境という歴史があり、やはり徒歩なりトラムで越えられるというのは感慨深い。

再びトラムで中心地に戻る。
お土産やさんとか見ながら大聖堂前にある観光案内所でストラスブールパスを入手。ストラスブールパスは3日間券なのだが、1日でも元が取れる感じなので買いに行った。

パスに含まれる運河クルーズがもうすぐ出るとのことで、案内所のすぐ横にあるお店で予約して、船着場へ移動。

天井までガラス(アクリル?)張りのボートでの運河クルーズ。船内は暖かくて快適。12か国語の音声ガイド付きというものありがたい。
クルーズは、世界遺産のプチットフランスや閘門での水位調整がある旧市街から、欧州議会やドイツ語でも放送しているテレビ局などの近代的な建物が並ぶ新市街の方へも向かう、70分のコース。ぼーっと眺めているだけで観光できて良い。

ストラスブール大聖堂へ。
昨日行ったケルン大聖堂には及ばないが住宅街に142mもあるので、余計に高く感じる。
赤茶色の岩で作られているところも珍しい。中に入るとステンドガラスの窓が多く目線レベルも上の方にもずらっと並んでいて、視界全体がステンドガラス埋まる感覚もいい。バラ窓もカラフル。

大型のからくり時計が有名で、時計全体が動く12:30だけ入場料がかかるのだが、それもパスに含まれている。
一番奥に18mのからくり時計がある。あらかじめビデオで仕掛けの説明があり、12:30に全てのからくりが動き出す。この説明がよくって、これがなかったら仕掛けがわからなかったと思う。
特に、鶏の鳴き声を鳴らす仕掛けが面白くって変な形の歯車であのタイミングが再現できるのは感心。
天文時計にもなっていて、カレンダーや星座の位置、月の満ち欠けもわかる。しかもその仕掛けが見えるようになっていて、それを眺めているだけで楽しい。
いいもの見た。

教会のタワーに登る。チケット200番って、今日だけでそんなに?
ここのはタワーのてっぺんという感じではなくプラットフォームということで屋上まで登るという感じ。
階段は300段ほどなので、登れる高さは66mだけど景色は最高。

大聖堂すぐ横にあるロアン宮へ。
18世紀のストラスブール司教のロココ調の宮殿で、今は3つの博物館が入っている。受付の方に聞いて、アルザスを感じられるような装飾博物館にした。
豪華な客室や寝室に、陶器や銀細工などの地域の工芸品、一番面白かったのは大聖堂のからくり時計のパーツの展示。説明がなかったが、それでも大切にされてきたのだと感じられる。

歩き疲れたので、今日も、トラムとバスで外回り。
乗り間違えて寄りたかった公園に行けなかったりしたがまあいいや。

中心地へ戻ってヴォーバン・ダムへ。堰の役目も果たす要塞化された屋根付きの橋。
昨日は夜で屋上に上がれなかったので上がってみたら、プチフランスが見えるパノラマビューが気持ちいい。

プチフランスはアルザスらしい木組みの家屋が並びお土産物屋やレストランになっている。
しかし、一本道をそれると商店が並び地元の人もやってくる感じで、様々な人が行き交うところがいい。
旧市街地には大聖堂以外にも4つの歴史ある教会があり、ぷらっと立ち寄れてそれぞれ雰囲気がいい。

大聖堂北側にあるショッピング街で色々散策。
お土産とか見慣れない調理器具とか購入して過ごし、ストラスブール駅へ。時間までカフェで休憩。

世界遺産に街全体という形で初めて登録されたストラスブール。
中洲に当たるグランド・イルの中に、教会や宮殿、アパートだけでなく木組みの一軒家まで歴史のあるまま残っている街並みは見ていて気持ちいいし、ショッピングモールもコンパクトにまとまっている。
フランスらしさもあり少しドイツらしさもある、国境の街らしいところやった。
また、車社会だった街を今やヨーロッパのあちこちで見られる許可車両以外進入禁止だったり、パークアンドライドのシステムだったり、トラムの導入だったり、とにかく都市交通網を積極的に変えてきたとのことで、そのおかげで中心地はすごく歩きやすいし、これは観光客も地元の方も快適に過ごせるいいシステムだと感じられた。

ストラスブールからフランクフルトまでTGVとICEの両特急を乗り継いで帰る。
途中カールスルーエで乗り換え。ちょっと時間があったので街に出て見た。2日間フランス回ってきたからか、やっぱりドイツを感じられる街並み。
駅前は公園があるのだが時間も遅かったので暗くていまいちやった。中央駅から少し離れた宮殿まで行くと同心円状の道とかあって興味深い地理。

フランクフルトに戻ってきた。
ホテル近くにオススメレストランがあると聞いていたが、月曜の少し遅い時間なのに激混みだったので諦めて、駅のフードコートへ。
フランクフルトのドイツ料理屋さんは席が窮屈なところが多かったので、逆にフードコートの方が広くて、内容も何気に十分。