2018年3月18日

ナンシー ストラスブール

朝、窓開けたら雪が積もってる。いやー寒い。

今日は、国境をこえてフランスのナンシーへ。6時台のICEなんでホテルの朝食はパスして電車内で朝食いただくべく駅でパンとコーヒー購入。
さて、電車が来ない。遅れるのはよくあるとしても、始発駅なのに遅れてる。しかも時間になってもアナウンスがない。やっとアナウンスが入り10分遅れとの表示。で、10分まったら30分遅れ、30分待ったら、、、とどんどん長くなっていく。わりとドイツは遅れるにしてもきちっとしてたのにこんなに雑なのは初めて。
コーヒーであったまりながら待つこと90分遅れでやってきた。なにやら調整で遅れたと言ってたが、ほんとかなぁ。
そんなに遅れるのなら早く言ってくれれば、一旦ホテル帰って朝食だべてきたのに。それよりも、乗り換え駅で観光しようと余裕を持たせていた90分すら危うく不安を抱えながら出発。

とりあえず食堂車でコーヒー購入。
途中、お詫びの品なのか飲み物が届く。遅延証明書的なものも届く。一部返金や乗り継ぎに遅れて余計にかかった分を保証してくれるのだそう。
乗り継ぎ駅からナンシーまでのチケットを乗り継ぎ時間で買う予定だったけど時間がなさそうなので、急いでフランス鉄道のアプリをインストールしてチケット購入とホームと駅の地図を確認。めっちゃ便利。

国境を超えて乗り継ぎのストラスブールに到着。急いでナンシー行きの車両へ。ギリギリ間に合った。
ガラガラなので座れた。やれやれ、なんとかなった。

車内アナウンスがドイツ語からフランス語に変わって国境を超えたと感じる。
ストラスブールからナンシーまでTERで1時間20分。いくつか山を超えていくのだが、どんどん雪が深くなり、帰りが心配。
チケット買うために入れたアプリでどこ走っているかわかるようになってて便利。ドイツのアプリも同じだけど、これは素晴らしい。

雪にも関わらず、定刻通りナンシービレ駅に到着。
TGVが止まる駅なのでそこそこ大きい駅。近代的な外観と石造りの重厚な駅舎がくっついていて雰囲気もいい。
しっかし寒い。

ナンシーがあるロレーヌ地方はがドイツに併合された際に、ナンシーのみフランスに残ったので、周囲の街から権力者や学者、芸術家などが集まった過去があり、そのこともあって文化的に繁栄し、フランスのアールヌーボー発祥の地になったのだそう。
で、それを感じられるレストラン Brasserie Excelsior Nancyが駅前にあるので寄ってみた。人気のレストランでほぼ全席予約の中「今なら大丈夫」とささっと席を用意してくれた。theアールヌーボーな内装もあって雰囲気がとても良いお店。
肉が続いたので魚料理のコースを注文。前菜の盛り付けが面白い。メインの魚はフランスらしくソースがおいしい。
デザートのアイスケーキは「全てがナンシー」という期待できる名前。プラム系のソースがかかったほんのり柑橘アイスにナンシー風マカロンを添えて、というもの。バランスがとてもいい。さすがフランス。
牡蠣の盛り合わせを頼んでいる人が多かったので人気らしい。ものすごく山の中なのにどこから送ってくるのやろうか、気になる。

フランスの高級レストランなのだが親しみやすい店員さんで肩を張らずに気軽に入れるお店。ただ、予約したほうがいいと思う。

ナンシーの中心へ向かう。と言っても、すぐなので歩く。予想はしていたが、日曜日定休っぷりが予想以上で、ガラーンとしている。
途中、予想でおなじみのポワンカレさんの大学があったりして、つい反応してしまった。
蓋の種類も豊富。
そうこうしていると中心地に到着。何も考えずに歩いていたら行き着いたので、よく整備された街なんだと思う。

ナンシーの中心スタニスラス広場へ。
18世紀の様子をそのまま残した美しい広場として世界遺産に登録されている。鉄柵の門の金細工とネプチューン像の噴水のセットは見事。石畳も、なんなら滑るくらい綺麗にならべてある。世界遺産も納得。
広場には、市庁舎、美術館、オペラ座、ホテル、レストランが面しているが、日曜だけにやっているのは美術館だけなので少しさみしい。

スタニラス広場の北側の凱旋門をくぐったところに、こちらも世界遺産カリエール広場。
スタニラス広場同様に都市計画で16,7世紀に作られた広場。もともと馬の競技場だったそう。
左右に対象の建物が並んでいてきちっとしている。

カリエール広場からさらに北へ。
城門をいくつかくぐってようやく街の外に出る形になっている、かなり防衛に長けた街なのがわかる。特にクラッフ門は重厚な存在感がすごい。

市民の憩いの場という感じのペピニール公園を抜けてスタニラス広場に戻る。
そこから西にある、もう一つの世界遺産の広場アリアンス広場へ。
他の2つの広場と比べると、中央にバロックな噴水があるのみで、装飾がないので見過ごしそうなところ。
アリアンスは同盟という意味で、ロレーヌ公家とフランス王家の関係を表しているのだそう。

今度は中心地から南側へ。

ナンシーに着いてどこも教会が閉まっていたのだが、オルガンの音が聞こえてきたナンシー大聖堂には入れた。
ここまでカフェなどに入れなかったので、建物に中に入ると暖かい。教会のこれがいいところ。
よくあるタイプの大聖堂だが、金細工があったりするところはナンシー らしい。

今更、一日乗車券を購入してトラムに乗る。ここのトラムは線路ではなくガイドが1本あるだけで、ゴムタイヤ仕様の車両。いちおうガイドの線路があるのでトローリーバスではないらしい。難しい。

アールヌーボーの住宅街ソリュプト地区へ。トラムの駅前なのでわかりやすい。
住宅街なので観光でぶらつくのは申し訳ないなと思ったが、観光協会が配っているガイドに書いてあるくらいなのでいいのだろう。
ブリュッセルのアールヌーボーは内装や装飾と言った飾りがメインだったのに対して、こちらは外観もユニークで楽しめる。しかし、庭付きの豪邸ばかり。
歴史的な建物だが、今でも住宅として普通に使われているというのがやはりいい。

せっかくなので、ナンシー派美術館へ。

道中もアールヌーボー建築に溶け込んでいる近代的なデザイナーアパートがいくつかあった。
ナンシー派美術館には、アールヌーボーを代表する作家ガレの家具、陶器などが多く展示されている。
いわゆるジャポニズムな作品もいくつかあって、絵画同様のブームがあったんだなと感じる。

せっかく乗り放題買ったので、トラムやバスでぐるっと回る。
しかし、日曜なので、お店はほぼ全滅。ロレーヌだけにバカラのお店や、スイーツで有名らしいナンシーなのだが、それらもやっておらず、お土産物屋さんも1軒しか見つけられず。
回っていると緩い坂の多い地方都市という感じで、街並みを見ていて楽しい。

かつて文化が華やいだ街。
今でもその感じは残ったまま生きていて、変に高層階などの近代化しすぎていない調和の取れた街。
ある程度人が多くても、ここはオンシーズンに来るべきなんだろなと思った。

雪の心配もあるので、少し早いけど、今日の宿があるストラスブールへ戻る。
ナンシー駅のPAULさんでクロワッサンとマカロンとコーヒー買ってTERに乗り込む。PAULさんは日本にもあるけどやっぱこっちで買うと雰囲気が違う。

1時間20分ほどで、ストラスブールへ到着。まず、駅がかっこいい。
内側には重厚な石造り、それをガラス(かアクリル)で覆っている。意図は読み取れなかった。

まずはチェックイン。駅からすぐなのだが、ちょっとごちゃっとしたところで、まあ安かったから仕方ないかと思ったら、外観に反して中は綺麗なホテル。
窓からの景色が、天候もあってかユトリロチックでこれはこれでいい。

ストラスブール圏内(CTS)の24時間乗り放題チケットを購入。
これは、トラム、バス、以外にもストラスブール圏内なら国鉄も使えるのだそう。便利。
トラムに乗って旧市街中心地へ。たった2駅やった。繁華街に降りるが、さすが日曜日お店はあまり開いてない。
とりあえず大聖堂周りならレストランあるだろうと行ってみた。もう、大聖堂がすごい。めちゃめちゃ綺麗ででかい。
昨日見たケルン大聖堂よりは少し小さいのだが、街の真ん中にあるので周りの建物と一緒に見るからか迫力がすごい。

お昼が贅沢だったので夜は適当にいただく。フランスの場合は逆に軽いお店を探すのが大変。

夜の旧市街を散策のつもりが結局旧市街を一周した。
イメージしていたアルザスの木組みの家屋と運河の組み合わせがいい。