2017年9月24日

奥能登国際芸術祭 day2 後半

蛸島地区へ。
「Bookmark of dried flowers」。旧のと鉄道の終着駅 蛸島駅での展示。鉄道網が急成長しているインドネシア出身の作者がすっかり廃れてしまった駅を見て造られた作品、と意味を聞くと考え深い作品。
旧蛸島駅から線路をてくてく歩いていくと次の作品、「Something Else is Possible」。渦巻くようなフレームの空間作品。それだけでなくその中にある双眼鏡から終着駅だった旧蛸島駅の先の線路の端を見るとまた別のものが見える。
線路と駅の使い方が上手い。

「Passing」。旧漁業倉庫にて、網など残されていたものを使った作品。照明が動いて影が動くというもの、この方の作品も何箇所かで見てきたけど、ここまで大きい物は初めて。広がり感の演出がいい。

正院地区へ。
「スズズカ」。保育園だったところに壁や天井に泡をイメージした球体のものが埋め尽くされている。空間の作品。衣装もあって体験的にも楽しめる。
ここにもバス停の作品「珠洲海道五十三次」。違和感あるはずなのに、見過ごすくらい普通に見えてきた。
旧銭湯での作品。男湯と女湯でそれぞれ別の作品が展示されている。「信心のかたち」は天井近くの壁から落ちてくる泡のインスタレーション。はっきりしないものを信じる心を表している。もう一つは「into the rain」雨水の雫が作る波紋をカラフルに表現した作品。

宿がある蛸島地区に戻って、鉢ヶ崎わくわく夢らんどの大型遊具を用いた作品「みんなの遊び場」。
作者は現地で得られる廃材を用いて飾る作品を造って来られていて、ここでは漁業用の網やブイを使って飾られた遊具の作品。
普段は子供用の遊具だけど、こういう作品になると大人でも楽しい。
これにて、奥能登芸術祭コンプリート

最後に、昨日、夜じゃないと見ても仕方ないと言われた作品を見に行く。
時間が来るまで、昨日もいたおじさんと話しながら待つ。のと鉄道が動いていた頃、このおじさんがこの駅を長年見て来られた話がとても楽しかった。時計が盗まれたとか、大雪が降った時に雪かきしたとか、一見何もない駅なんだけどいろんな事があったのだなと感じた。
で、日が沈んだ瞬間くらいの、駅も作品もどちらも見える瞬間がすごく幻想的で良い。これはこれまで見てきた芸術祭でトップクラスの感動作品。

海と山と、それぞれの集落と幅広く楽しめる里山の芸術祭やった。何より、第一回にも関わらず、地元の方が、本当に勝手にやっておられるようなボランティア参加数が多くて、こちらもすごく楽しめた。