2015年9月 6日

大地の芸術祭2015_Day3

今回の宿は、南魚沼市の六日町温泉にある越路荘さん。
広い部屋に広いロビーにと雰囲気からもゆったりできる宿。何より最上階にある露天風呂が、朝の霧がかかった山々とか見ながらの源泉掛け流し。
芸術祭やなかったら、宿でもっとゆっくり過ごしたかったなぁ。

今日は津南町の会場をまわる。
まずはマウンテンパーク津南へ。公園というよりはスキー場。
入り口付近に、M001「ドラゴン現代美術館」という名の登り窯。登り窯を使って他の作家さんの展示をしているようで、コンマイは、M049「Thrown Rope for Japan」のロープを投げてそのラインに沿って花を植えるという作品が登り窯の周りにあった。
マウンテンパークの池のほとりには、M002「カモシカの家族」、M005「再生」、M024「0121-1110=109071」の作品。
ここで、一番良かったのは、M003「森」。地域の方から集めた鉛筆をかまぼこハウスに森のように並べた作品。向こう側も見えるようになっていて、本物の森も見えるようになっている。

マウンテンパーク津南に行く途中にも幾つかあった。
もともとここに住んでいた方が子供のために作った小屋を使った、M048「恒河舎」。風景を模した磁器の彫刻に、キラキラした部屋の装飾は子供も楽しめそうな感じがする。
M011「かささぎたちの家」は、一ヶ月かけて焼き上げた陶の家を中心とした公園なのだが、韓国人の作家さんがスタッフと一緒に半年以上もこの地に住んで、子供は少ないが公園を作ってあげて欲しいと言われて作られたそうで、地元のために作られたと言っても過言ではない作品。
M026「時を越える旅」。手でうごかしたりすると回る凸型の鏡で、離れて見ると地面から風景から空まで見える。ここはゲートボール場にもなっていて、自然と人が集まるところ。で、そこには、この地域の公民館でのM047「アジアインフォメーションセンター&カフェ」。まだ開いてなかった。先の2作品が中国の方と韓国の方が長期滞在されて作られたということで、ここがアジアへのプラットフォームとなる場所だとのこと。

M037「Air for Everyone」板金屋さんだった家で、柱に埋め込まれたリードやローブで繋がったふいごによる楽器が所狭しと並んでいる。
柱にリードが埋まっていてフイゴの先を当てるとハーモニカみたいになったり、足踏みミシンを回すと風が起こって、笛を鳴らしたりと、古民家ならではな仕掛け満載。
ここでは、ボランティアの方に加えて、ご近所の方も説明員としておられて、古民家に残る、冬に雪から窓を守るための板をはめ込むところとか、色々説明してくれはった。
そういうのも含めて、ここはかなりお気に入り。
ここの表では、おもてなし隊の名水のサービスと地元野菜などの販売があった。こういうふれあいもいい。

M039「津南のためのインスタレーション-つながり-」。機織り工場だったところを使った作品。機織り工場だけにすごく長い空間を用いている。
子供が遊んでいるところに感じるが、1階は外からの明かりを閉ざしTシャツが行灯になっていたり、おもちゃが光っていたりという作品。二階は外からの光を取り入れ白ベースの作品となっていて、陰陽を表現しているそう。
特に、Tシャツの行灯は、暖かくもありつつ、暗い廃工場ということもあってか怖くもあり、かなり印象的な作品やった。

M044「work in progress, for Echigo-Tsumari」。保育園だったところを使った作品。建物内、外壁、敷地のいたるところを1本のスロープでつなぎ、地域の方の思い出の品などが並べられた作品。まさに近所の方々の協力なしでは成り立たない作品。
ちなみにこの地区の方は入場無料とのこと。
外丸保育園の中では、休憩所に加えてこの集落の紹介やここで作られたわら細工などの販売もあった。

外丸保育園の隣にある、外丸矢放神社の境内に作られたM040「ミカドゲーム」。ヨーロッパではおなじみのミカドゲームのデカイ版。
で、こちらの神社の参道にもおもてなしの休憩所があり、飲み物や、取れたれプチトマトなどが冷やしておいてあった。こういうのは本当にいいおもてなしやと思う。

かつて旅館だったところでの展示。 M045「真夏の夜の夢」。走馬灯を用いて仕切りのスクリーンに投影される動く影の空間作品。他に、M046「Light book - 北越雪譜」もある。置いてある本のページをめくるとそのページの絵がプロジェクションされる作品。気がつけば、この三日間かなりの数の現代アートを見てきたけど、初めての最新技術を用いた作品で、逆に新鮮。
あといろんな作品があったが、特に番号はついてなさそう。でっかい猫の目が鏡になってて前に立つと猫の両目に自分が映る作品はなかなか面白い感覚。

市街地から30分ほど山奥に入り、かたくりの宿へ。雨が降ってくるは、そこそこの狭い道で疲れた。ここは廃校になってから90年代のふるさと資源活用事業で宿泊施設となったところ。一時休まれていたそうだが、芸術祭の折に再び営業を始められたそう。
そのプールにM014「Melting Wall」がある。プールの上にガラスを置きそこに水を流すことで、プールの中から空を見ると揺らめいて見えるのを再現した作品。なおこの水は、かたくりの宿より高いところにある水源からサイフォン式で流れているそう。

こちらは作品ではないけど、カタクリの宿から谷間へ降りていくとある、映画のロケ地にもなった吊り橋「見倉橋」へ。久しぶりの吊り橋。ザ吊り橋という感じの、幅と高さにシルエット。すごくいい。かなり手入れされているみたいで、集落どおしを結ぶという重要さも感じる。

そば・豆腐料理のお店、大平さん。庄屋作りの広いお店。200年前の建物を改築しているとのことで、雰囲気もいい。そばと豆腐もある定食をいただく。

国道405号線を走ってると気になって仕方がないすごく高い段丘、沖の原台地。登れる道があったので登ってみた。上では広大なひまわり畑があるそうだが、まあ、季節外れやったので見られなかった。

M019「記憶-記録 足滝の人々」足滝地区に住んでおられた全員をかたどった鉄製人型が河原に並んでいる。今回の芸術祭でこの手のは多いけど、やっぱり全員というところがすごいなぁ。
飯山線の足滝駅。新潟の端っこの駅。駅舎はなくて待合所のみ。こういう場所の割にはと言っては失礼やけど、なかなか綺麗な待合所やった。冬はこれじゃないと厳しいんやろなぁ。
足滝駅のすぐ隣の湧き水を用いて作られた水琴窟、M051「ここにおいて津南の音」。雨が降ってたので、いまいち水琴窟な音は聴けず。

長野との県境にある、M052他の「越後妻有 上郷グローブ座」。中学校だったところを利用した劇場とレストラン。幾つか作品が並んでいる。表のM053「Untitled project for Echigo-Tsumari」は台風で被害を受けて修復が終わったところだそう。メンテも大変やなぁ。レストランはさすがの人気で入れなかった。
しかし、廃校になった感が全くないくらい普通に中学校やった。

エリアが広かったので移動が大変やったけど、その分、普通ならそんな奥まで行かないところにあるいろんな集落で、廃校になるくらいの場所に、来場者に運営者、世界中から多くの人が集まってきて、そして地元の方も一緒に笑顔で会話する。まあ、よくあるセリフだけど、ここまで(少なくとも表向きは)バッチリできるもんなんやなぁ。ほんとすごく楽しめた。
多分、もう3年後の次の分も進んでいるんやろなぁ。時間あればボランティアスタッフもやってみたいなぁ。
うちからの往復合わせて、13449km。走ったなぁ。