2015年9月 5日

大地の芸術祭2015_Day2 AM

今日は西側を中心に回る。
バス停のながーいベンチK-034「パッセージ」。ただの長いベンチかと思いきやそれぞれにメッセージや挨拶が書かれていて、ゆっくり歩きながら読むのが楽しい。

K-088「LACHIKU_PENTA」河岸段丘の上の絶景の高台的なところに作られた竹のトンネルと竹で作られた犬(?)。この犬(?)たちが各々高台から、盆地、信濃川や山々を眺めている感じがすごく良かった。かなりお気に入り。

仁田エリアを回る。
K-086「越後妻有レインボーハット2015」鳥の形をしたシェルター。太陽光が虹色に映るようになっていたりするそうなんやけど、曇ってて残念。
K-087「雪の恵み」。豪雪地なので、その雪の重みで根が曲がるそうで、その根が曲がった木を用いてのオブジェ。
K-019「この大地と空の間」大きな鉄の輪が浮いてるかのように見える作品。

松代の北側峰方山平エリアへ。まずは松代芝峠温泉にある作品。
D-051「視点」。正方形のパネルがずらっと並んだスクリーン越しに山々を見ると粗いピクセルの絵のように見えるから不思議。これは面白い。
D-052「回廊...時の水脈」石器のような岩を用いた作品。枯山水的な感じなのかな?
D-050「ジャックインザボックス」。このイベントのハガキになるくらい代表する作品なのだが、ちょっと藤に侵食されすぎなんやないかなぁ。
なんやないかなぁ。
D-132「マウンテン」山々と棚田を見渡せる高台にあるチューブを曲げた感じの作品。

さらに離合困難な道を走り、桐山地区へ。ここでは3件の空家を利用した展示。
D-325「BankART妻有」。アート集団「BankART」と建築の「みかんぐみ」による古民家再生プロジェクト。3階建ての家に50組ほどの作家さんの作品が各部屋に、あからさまだったり、自然な感じだったりで置かれている。着いた時に係りの方が普通に台所を掃除してはったり、窓を拭いてはったりで、普通にお宅にお邪魔したかのような雰囲気で、雰囲気も含めて空家が再生されている。ここもお気に入り。

D-102,D-266「ファウンド・ア・メンタル・コネクション3」
こちらも空家を使った展示で、ここに住んでいた姉妹の方の思い出話をもとに作られた「ブランコの家」は、ブランコなどが光の中で揺れる作品。家自体がかなり年季が放っているのでかなり印象的。
D-209「静寂あるいは喧騒の中で-手旗信号の庭」薄暗い家の中で、強い色の明かりで照らされたオブジェのインスタ。一つの作品が音を鳴らしての作品だったが、それが地区に響き渡るほどの静かな作品群やった。

D-208「インターローカル・アート・ネットワーク・センター」大地の芸術祭をはじめ、各地の芸術活動の資料が集められている。
今回はその資料をD-323「ツマリ・ジオラマ」という、元体育館だったようなところに板を張り合わせて作られた巨大ジオラマの棚に置かれていた。ジオラマの中を歩きながら資料も見られる面白い展示。
さらにここでは、D-324「Self Community峰方について」で、近隣の24名の集落の方々の記憶が箱に詰められていた。お子さんの小学校時代の文集とか、家を改装したようなときとか、各家庭いろんな大事なもののコピーがアーカイブされている。
で、ここでオフィシャルカーがやってきた。これもかっこいい。

D-329「狐の棚田プロジェクト」前回の芸術祭のときに整備された棚田。この地域に残る民話の三九郎キツネにちなんで39の棚田が作られている。で、さらにこの日のイベントで、「キツネ田野倉ン」というマラソンイベントが実施されていた。参加条件は狐の仮装。かなかな面白かった。

棚田のところからさらに奥に入ったとこにある D-328「つんねの家スペクトル」。
藁葺き屋根の空家を見た作家が、ここで住んでいた女性の生活を想像して作られた、ハサミや包丁のぬいぐるみのインスタレーション。
なかなかわからないけど、近所の人達も協力してぬいぐるみを作成されたというエピソードがいい。

さらに奥に進むと、D-103「明後日新聞社文化事業部」。2003年の芸術祭の際に廃校になった小学校を拠点に始められた地域情報の新聞を発行されているそう。こちらの建物を覆うように地域の人とともに育てられている朝顔の種が全国に広がるというコミュニケーション年とワークが広がっているそう。明後日新聞は月1くらいで発行されているそうだが、こちらを始めた日比野さんの手書き文字で作られたビビノフォントで書かれているのも特徴。
地域の方とのワークショップや活動も展示されていた。

奴奈川エリアへ移動。
空家になって30年経つ家の壁をぶち抜いて、金属を溶かして吹き付けたD-215「コロッケハウス」。壁が完全にぶち抜かれているので、二階に上がると縁の方へ行くのが怖いけど、外を見ると家が額縁のようになって風景を見渡せるところが印象的。

コロッケハウスの隣には、煤で黒くなった木造の古民家の柱、床、家具とありとあらゆるところを彫刻刀で削られた、D-143「脱皮する家」。彫刻刀で削ってあるけど、そげが刺さるようなこともなく、とにかく途方もない作業が見える。
床板も削られているのだが、その凹凸が結構気持ちいい。ちなみに、ここは宿泊施設としても使えるそうで、芸術祭期間外でも見学できるそう。ここも結構おきに入り。

コロッケハウス、脱皮する家と同じ集落内にある、D-217「庭が生まれるところ・・・そして」、D-337「空を見上げる」他いくつかの展示。
地元で作られた石鹸を用いた作品や、戸や窓の格子に貼られたフィルターの絵、自然に近い形の庭と、いくつかのインスタレーション。ここの作品はバラバラのインスタレーションだけど、緑、黒、白と、特徴的な色で作品周辺も含めた作品という共通点が感じられた。

奴奈川エリアの中心になっている、D-331「奴奈川キャンパス」へ。ここも廃校になった学校を利用されているが、他の展示場になっている廃校と比べるとかなり大きな学校で、今でもたくさんの児童がいそうな現役の印象で、食や農業について実践的に学べるワークショップが開かれているそう。
ここでは、校章をかたどった塔、木材を貼り付け削り出した壁、教室に残っていた標本や椅子を使ったインスタレーションなど、たくさんの作品が展示されていた。また、こちらには学食形式のカフェテリアがあり、里山の定食をいただいた。