2015年9月 4日

大地の芸術祭2015_Day1 PM

次の目的地へ向かう途中の道にも作品発見。K033「境界の神話」作品やけど遊具だそう。
と、その奥にも看板があったので、少し道を入るとK090「けれども、確かにある光」。こちらのぶなの木学舎は期間中のみ展示会場となっている民家。200年以上前のものだそうだが、気密性も断熱性も高くなってて、長寿命省エネ住宅の実例として発表されてたそう。
で、ここでは、日本画家の田中芳さんの、学生時代から晩年までの自然をテーマにした大型の作品を中心に囲炉裏などの部屋で展示されている。シンプルな作風が古民家にマッチしていて美術館で見るのとは全然違う雰囲気で楽しめた。

ナカゴグリーンパークへ。ここにはバンガローの建屋なども含めて15ほどの作品がある。
で、ここにあるK005「光の館」へ。ここは宿泊施設だそうでリゾート地の別荘みたいになっているのだが、メインは天井の一部がスライドして開閉する和室。
週末だと人が多くてゆっくり見れないそうだけど、この時はお客が少なかったので、「ゴロンと寝てゆっくり見ていってください」、とのでえらくラッキーやった。
天井を枠にして空を見る作品は直島などでも見てきたけど、この和室で自然の音や空気を感じながら青空とそこに流れていく雲を見ているのが気持ちよくて、ずーっと見てられる。ってか居合わせた皆さんずーっと見てた。
この建屋は光の館と名前が付いている通り、自然の光をどの部屋でもたっぷり取り込んでいるし、一方でLEDで照明の色合いも変えられるようになっている部屋もあった。
今日はここまで天気がイマイチやったけど、運がいいことにここに着いたら晴れてきたので、ただ晴れるでもなく雲が流れていかないとこの楽しみは味わえないとのことで、とてもついてた。ここはかなりお気に入り。

ナカゴグリーンパークの他の展示も見ようと思っていたけど、光の館の和室で空見ながら係りの方や他の来場者と話をしてたら、「せっかく平日に来たのだから、週末混むところから回ったほうがいい」と言われたので、明日行こうと思ってた混むらしいところを今日のうちに優先してみることにした。

今回の展示で日を重ねるたびに話題になって平日でも列ができるほどの人気の、十日町の中心地にあるコインランドリーを使った作品、T314「憶測の成立」。行ったら確かに並んでた。体験した人にしかわからない撮影・ネタバレ禁止の作品。出口のところで居合わせた皆さんとアレとかコレとか、いやーすごいですねぇ。とテンション上がる作品。これを実際に作ったというのがすごい。

十日町の中心のランドマークであり、大地の芸術祭のメイン会場でもある、T025越後妻有里山現代美術館「キナーレ」へ。
ここでは美術館内の作品やカフェ、周辺に20ほどの作品がある。ここの室内展示は去年旅行できた時に見たのと同じなのでささっと見て、周りのを中心に見る。
回廊の中央にある池には巨大オブジェ T307「蓬莱山」と回廊には藁細工が吊るされており、ずいぶんにぎやかな雰囲気になってた。
芝生広場の地下では、ベネチアビアンナーレの日本館代表でもあったT304「モグラTV」。Ustの生放送だけでなく、キナーレで放送されているラジオの生放送も芝生地下で放送されていて、地上の穴から声かけたりできるようになっている。

明日混むところを先にと思ってたけども、やっぱり寄り道してしまう。
T067「アスファルト・スポット」。うねうねした駐車場(止められない)だけど、これは元の地形をそのままアスファルトで固めたものだそう。土だったらなんてことないんだろうけど、アスファルトがうねってると歩いてて不安定感がハンパない。見た目以上に体感しないとわからない不思議な作品。

T173「絵本と木の実の美術館」へ。廃校になった真田小学校全体を使って最後の生徒となった3人の小学生をモチーフとして作られた絵本作家さんによる作品。
教室を進んでいくとページをめくるように話が進んでいく感じで、絵本の中に入ったという体感ができる。2005年に廃校になり2009年から展示されているのだが、今年新しいストーリーが足されるという現在進行形の常設作品。
こういうコンセプトがこの芸術祭らしいと思う。これもお気に入り。

D053「農舞台」へ。この松代地区の中心地にはここを中心として城山含め50くらいの作品がある。
常設分は去年旅行で来た時に見たのでさらっと見て回る。
と言いながら去年も見たD001「棚田」の農作業をする人をかたどった像と、それを「農舞台」のテラスから見ると空中に吊るされた文字でその解説がわかるというアナログな作品がやっぱり面白かった。
D061「花咲ける妻有」の草間彌生さんらしい存在感あるオブジェに、松代の全世帯分の屋号が書かれた1470本のカラフルな板D054「まつだい住民博物館」もいかにもないい作品。

さすがに運転疲れてきたのか、作品見すぎたのか、やけに道を間違えてる途中に見つけた作品、D104「マザーツリー空中庭園」。わざわざコンクリの階段の上に植樹された木の作品。この木を見るために階段を上ると植物公園をぐるっと見回すことができるというもの。

なぜか道を間違えまくってやっとたどり着いた(そんな間違えるほどのところではなかったのに)D330「ドクターズ・ハウス」。診療所だった空家に、病院の感じと鏡を使ったインスタレーション作品。空家を使った今年の新作ということで人気があるが、駐車場がすごくちっちゃいので平日なのに結構待った。
くらい診療所、合わせ鏡を用いることでの無限空間という雰囲気からも不思議で少し不気味な空間を作られている。世界観がすごい。

M043「土石流のモニュメント」。
かつての地震で起こった土石流で埋まったところを黄色いポールで囲った作品。再び崩れる可能性もあり、その分をうけられる砂防ダムが作られている。砂防ダムの麓にある仮説っぽい小屋での資料館や、今でも川にかかる橋の下も土で埋まっているのを見るとその凄さを感じる。
他の展示は地元やボランティアの方が説明員としておられるのだが、ここはこの砂防ダムの建設をされている方が説明員として立っておられた。ダム好きとしてはいろいろ聞けて楽しかった。

時間的に閉館時間になったので、宿に向かう方向で日没まで中里地区の屋外展示を見て回る。
N060の越後田沢駅前の「船の家」とその中の作品。晴れてると木の隙間から日が差していい感じだそうだが、雨で残念。
N046「遠くと出会う場所」午前に見た町を見下ろすところの「窓」の作品と同じ作家の作品で、こちらは花壇の先に天へのはしごが浮いているというもの、これも不思議な空間。

N001「鳥達の家」作品群がある公園ミオンなかさとのシンボル的作品。20mくらいの高さなので雪が降ってもわかるそう。N002「ブルーミング・スパイラル」要するに公園の花壇なんやけど、15年前に住民と一緒に作られた作品であるので、今でも住民の方が手入れしてはるそう。なるほどスパイラルなんやなぁ。N003「河岸の燈籠」ようはデザイントイレ。夜には灯籠のような明かりが灯るらしい。N004「温かいイメージのために-信濃川」丸い起伏のある公園。これら4作品は日帰り・宿泊温泉施設の周りという人が集まるところにあって、ちょっと散歩にいい感じ。

N069「川の記憶」田んぼの向こうに、漁師や屋形船の巨大パネルの作品。ちょうど稲穂が水面のようになっている。雨が強くなってきたので近づくのはやめた。
N005「妻有で育つ木」空中に浮課されたプランターで育っている木。かれこれ15年あるそうだが、どこまで育てるんやろう。
N006「一番長い川」信濃川沿いに建てられた電柱に、「川の記憶」で公募した詩が刻まれている。電柱というところがなんともいい。

日没になったので今日の作品巡りは終了し、前回十日町に来た時に食べ損ねたへぎそばを食べに、名代生そば由屋さんへ。
コシが強くてツルツルした食感が良くって(感想が讃岐うどんみたやなぁ)、どんどん食べられる。ちょっと多かったけど。
かなりの名店やったらしく、帰る時には、閉店時間までまだまだ時間あるのに売り切れで閉店になった。

かなり数回ったけど、見たいところはじっくり見られたのでよしとする。