2015年9月 4日

大地の芸術祭2015_Day1 AM

去年新潟に行った際にも立ち寄ったけど、新潟県の十日町市・津南町ほぼ全域で開催されるトリエンナーレ期間中に寄りたい。

とりあえず、この日は平日なので人気のありそうなところを目指し、まずは早朝に六日町側から中里地区に入り、屋外展示モノを中心に見て回る。

最初に出てきたのが、N054「うつすいえ、うつすにわ」。
廃屋利用で光ファイバーで小宇宙を表現ということやったけど、まだ開いてなかった。ざんねん。

道を進んでいくと、N012「中里かかしの庭」。
そこらじゅうにイメージカラーの看板があって、地図を見ながらでなくても作品を見逃さずに済む。参考になるなぁ。

N028「たくさんの失われた窓のために」。里山の風景をあえて窓から見るという作品。額縁的なのはあったけど、カーテン一つで窓から見たいになる感じが不思議。切り取ることで、変わる視点というのがいい。お気に入り。
N19「ポチョムキン」。廃材?のような鋼の壁を川の土手に風景に溶ける感じで並べられたランドスケープな作品。中には禅の庭やブランコなどもある。

結構な山を登ったところにあるN56「カクラ・クルクル・アット・ツマリ」。ここは来たかったところ。
天気はイマイチやったけど、すっかり頭が垂れた稲穂の棚田の中の道に、カラカラと音だけがする作品。これがいい。
ここまでの道中含めてお気に入り。

N56への途中にあったN020 「中里重地プロジェクト」。
この地区にあった家屋を解体された際に出た古材を並べて作られたポケットパーク。解説なかったら何かわからないやん、って感じやけど、その土地を見て作家さんが作品を作るというこの芸術祭のスタイルを感じられた。

芋川清津川フィッシュパークに作られた、3作品。
N034「エターナル」地元の土を用いて作られた陶の椅子の作品。この地域は縄文時代の火型土器の故郷ということで、作家さんが焼き物に適した土を探スト子から初めて作られた作品。まさに里山の芸術祭。
N070「ここで、深呼吸。」生花の草月流家元による、竹のインスタレーション。日よけにもなり、川の風を感じることもできる。
N058「きよっつ」まだ開いてなかった。

N010「日本に向かって北を定めよ 74°33'2"」ロンドンにある作家さんの家の輪郭構造を方位を保ったまま再現ということで、日本だとほぼ屋根が下になった感じ。発想がSFチックで面白い。ぜひ世界中に作って欲しい。

十日町エリアへ移動。
T155「再構築」。駐車場から草原を抜けると出てくる丸い鏡で覆われた家。
景色が写っているので同化しているような感じ。同化するポイントを探してクルクル回りながら見たりと色々楽しめる。
何千枚もの鏡は作家さんが手で磨いたものだそうで、そのランダムさもあり、風で揺れる感じもいい。これも結構お気に入り。

今回評判が高いT325 T326の「Kiss & Goodbye」。JR飯山線の越後水沢駅と土市駅の駅前に作られた、絵本の世界の展示。
台湾で有名な絵本作家の方の作品なのだが、十日町でよく見かけるかまぼこハウスをアレンジしたこと、駅前だけに主人公が列車で都市を回る作品を再現したというところも、すごくイメージが湧いて素晴らしい。主人公たちが乗った列車の車窓からは越後の風景がちらちら見えたりという演出もいい。
係りの方が早めに来られたので、開演時間前に貸切状態で見ることができてすごく良かった。

T328「森林梦境 森の夢」駐車場から河原を歩き社とお墓を抜け少し森に入ったところに現れる樹脂製彫刻。道中から作品な感じがするのと、ガイドブックはイラストだったのでどういう作品かわからなかったが、突然自分よりもでかい作品が現れ、また木漏れ日の感じもあり不思議というかリアルな幻想的で不気味な空間。うまく言えない。

一気に北上して下条エリアへ。神明水辺公園での鏡の天井のステージ T112「バタフライパビリオン」。明日イベントがあるようなのでそこでくることにする。
一本の木を見るための地下室T020「小さな家」雨上がりなのでちょっと厳しかった。

ここから山の中に入っていくのだが、道中は黄色看板と、かかしさんの道案内で細かく誘導してくれる。

T259他多数の展示がある[もぐらの館]。閉校になった小学校を丸ごと展示場にした作品群。ここはモグラの巣に見立てた土に関する作品が並ぶ。
廊下はウッドチップで埋め尽くされ、左官職人や陶芸家、染色など、隣の教室に入るたびに違った作品がどんどん出てくるという楽しみがあり、教室によっては授業で使っていた雰囲気を残しているところもそれはそれで良い。
このような閉校を利用した展示は初めてやったけど、この後の廃校の展示も同じやけど、人がいなくなった山奥の廃校に、世界各地から人がたくさんやってきて、ガヤガヤ賑やかなのは、この芸術祭の特徴であり成功しているところやと感じた。
文句なしに良い展示。ここは芸術祭期間中のみの展示だそう。ちょっと残念。

T120他の「うぶすなの家」。こちらは2004年の中越地震まで使われていた茅葺きの民家で、家自体と現代陶芸家の作品が多数展示されている。
人気なのは、ご近所のお母さんたちによる地場食材を用いた里山の定食。たまたまオープン前に着いたのでお母さんが先に整理券をくれた。
待っている間並べ方含めて器を見てるのも楽しいし、使われていたのだろう家具もいい感じだしゆるりと見て回れる。
11時になって居間で食堂がオープン。囲炉裏を囲んでお客が並ぶのやけど、だんだんお客さんが配膳とか手伝うという、常連さんなんか店員さんなのかみたいな光景が、初めて来た人たちとお店のおばちゃんたちとの間で自然と交わされる。多分ここにいる若者たちは普段そういうのやらないのだろうけど、自然とそういう風にやろうと思える雰囲気が生まれるのは素晴らしい。そういうイベントに育ってるんやなぁ。いいなぁ。