2023年11月25日

布の芸術祭

富士吉田へ。まずは吉田うどんの桜井うどんさん。もちっとしつつ吉田うどんらしくかたい麺の味噌ベースのシンプルなうどん。まあまあ並んでるけど回転がいいのですぐ入れてよかった。

の前に街を散策。おどろきなのが外国の方が多い。富士山見るのに街の中にもくるんやって感じ。商店街からの抜けが紹介されたのかなぁ。

布の芸術祭、FUJI TEXTILE WEEK 2023へ。
FUJI TEXTILE WEEK は、吉田が1000年以上続く織物の産地であることを知ってもらおうという伝統産業および地域活性を目的として2021年よりスタートした、テキスタイルの芸術祭で、使われなくなった織物関連の工場や倉庫、店舗を展示会場として再利用し、産業の記憶の保存に繋げるのだそう。
まずは、今年3月に廃業になった山叶さんのビルでの作品。最初に顧剣亨/Map Sampling_Fujiyoshida。透けるほど薄い織りもできるのが吉田の織物の特徴でそれを生かした、過去と現在の地図を重ねた巨大な布の展示。こういう使い方できるんやという作家と吉田の技術の見事なコラボ作品。吉田は内陸にあるので運びやすいようにと薄めの織物の技術が進んできたのだという話を聞きながら作品を見られたので、この芸術祭にぴったりな作品やなと感じられた。
屋上にはジャファ・ラム/あなたの山を探して。こちらも透ける薄い布をいろんな形で並べられた作品。作品越しに富士山見るといろんな欠け方をするというもの。ここでないと展示できない作品。
ネリー・アガシ / mountain wishes come trueの巨大なファサード。巨大な空間を目一杯使ったものだが、これ織ったのか。
スタジオ ゲオメトル / Changes of the Mountainのタペストリー、池田杏莉/それぞれのかたりて / 在り続けることへのこの工場で使われていた機材や作業着をコーティングした展示と幅広い展示が楽しめた。

旧田辺工場でのハタ印のMEET WEAVERS SHOW2023は、地元の機屋さんのサンプルの布とそれから作った洋服の生地展。いまでもかなりの数の記事屋さんが残っているようで、それぞれの工房の特徴などとともに紹介されていた。人と工場を繋ぐという活動をされていて、MEET WEAVERSのサイトからオーダーしたりもできるということで、観光案内所くらい気軽に工場に繋いでくれる。こういうビジネス面も芸術祭に入っているのが独特。

FUJIHIMUROで、「甲斐絹をよむ」のデザイン展。こちらでは江戸時代からおられていた「甲斐絹」の100年前に織られた布の展示から解説、折る際に使う道具などの博物館的な展示。「甲斐絹」からインスピレーション受けた小説の朗読や、写真の展示などもあり、それぞれの解説のシートを止めるために織機の紋紙で閉じてくれるのがいい。
こちらの屋上にも富士山を望む展望台(フジスカイルーフ)の展示。

下吉田駅前にも展望台(フジスカイルーフ)。ここで外国の方が多いのが驚き。日本人でもあまり織りないのに。
富士吉田の中心地へ戻る。

糸屋さんだったところでのパシフィカ コレクティブス / Small Factory。インテリアとアートを融合ということでアートラグのポップな作品。別の会場SARUYA HOSTELでは販売もされていた。糸屋の十強部分では筒/unsound dresser : 化粧箱、鳴ラナイ。機織り職人の生活の劇の作品。
3階建ての倉をつかった、清川あさみ/《わたしたちのおはなし》。刺繍で描かレた作品で、刺繍という少し3D感ある絵画という独特の印象。木造の蔵という殺風景な中にあるのがいい世界観。
FabCafeではコラボレイティブプロジェクトで、糸や布の展示。

新世界乾杯通りでは古い布の展示。展示なのだが鋏が置いてあるのでそれで切って持って帰ってもいいとのこと。すごい。
旧文化服装学院での、津野青嵐 / 《ねんねんさいさい》、ユ・ソラ / 《日々》。日々の方が特に印象的で、白い布に黒い糸で縁取ったものなのだが、とおすれば冷たい無機質なものなのに、すごく温かみのあるものになっている。手作業感がでているからなのか、縫い方が絶妙なのかとても不思議な感覚を覚えた。

布の芸術祭は、富士吉田が織物の産地だということをアピールするために始められたとのことで、係の人も織物関係の人が多く作品だけじゃなく、それを制作した技術に関しても詳しい方が説明してくれるのが他の芸術祭とは違うなと感じた。産地を物づくりの起点として国内外の様々なコミュニティーと結ぶことも芸術祭の目的であるので、作品には技術協力や制作協力者の名前も添えられていて作家さんだけじゃなくてそれを作った地元の方にもフィーチャーされているのがよかった。

今日の宿は山中湖なので、山中湖まで移動。夕食をつけなかったので先に何処かと思いつつ、ここまでくるとやはりほうとうの小作さんへ。結局連続うどんながら満足。
で、宿は山中湖の東側のカントリーイン オレンジカウンティさん。久しぶりに小さなペンションらしいアットホームを絵に描いたようなペンション。