2022年2月12日

フェルメール展

ひさしぶりに東京へ。
時間があるので、谷中から上野まで歩いてみる。

東京都美術館でのドレスデン国立古典絵画館所蔵「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」へ。
ドイツの美術館やけども、所蔵されているオランダ絵画をまとめて展示。17世紀なので、肖像画、風景画、静物画と広いジャンルをカバーしている。ワルランなどはこんなものも17世紀にあったんやという感じのリボンで止めた手紙の静物画があったりもあるが、とはいえやはりメインのフェルメール。窓辺で手紙を読む女に書かれていた天使を復元したということで、色の修復はこれまでもあったけど、絵自身の修復というのもあるんやなと。今回の展示では修復前の複製画が並べて展示してあり、違いがよくわかる。作者の意図と関係なく上から塗ってしまうのは絵画の所有者の自由というのはあるし、これはこれで歴史的に面白いととるべきかな。手紙の中身はわからないけど、背景の絵に元ネタがあって急に意味を持ち始める。そうなると、修復前の方がシンプルでフェルメールっぽい気がするが、逆に他の背景に絵がないやつも実は塗られてるんじゃないかなと思えてくる。
復元後ドレスデン以外での公開はここが初めてとのこと。オランダより先で日本のフェルメール人気はすごいんだなと思ったけど、日本の財団の後ろ盾で修復資金が出たのだそう。

2121DesignSightでの「2121年 Futures In-Sight」展へ。テクノロジーが文化をどう変わえてきたのか、いかに変えていくのかの展示。100年前に想像されていた未来や、SF小説が予言した未来から、未来をどう考えるか。実際どういう道を歩んでいるかなど、いろんな視点で展示されている。
印象的なのは、カメラの歴史、通信機の歴史、記録媒体の歴史でそれぞれ年代順に並べてあるのだが、最後は全部スマホになっている。ちょうど今ひとつに集約されてしまったので、この先、また別れるのか、他のものも集約していくのか、ちょうど今が一番面白いところにいるように感じられた。

国立新美術館でのメトロポリタン美術館展。さきほどのフェルメール展とは対照に、メトロポリタン美術館の500年分の西洋絵画が展示されている。年代順に展示されているのだがこれだけ満遍なくあるところがさすが。
マリー・ドニーズ・ヴィレールのマリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュの肖像(長石覚えられない)の逆光の描写がひさしぶりなレベルで印象的すぎて、目的はフェルメールやったけど、すべてこれに持って行かれた。よくみると、割れた窓とか後ろの建物の人とか意味ありで謎があるが、そういうのもひっくるめてえらく刺さる作品やった。

短時間やったけど、久しぶりの東京。やっぱ展覧会が多くて良い。はやく正常になってほしい