2007年5月20日

ストリングス

2つの敵対勢力の争い、国家の陰に潜む陰謀というストーリーを通じて、人と人のつながりをテーマにしたマリオネットを使った人形劇。
感情を十分感じられるほどの細かく人形を操る技術のすごさに圧倒されるが、なによりこの映画は人形劇と違い、そもそも人間には天まで届く糸がつながっているという世界で描かれているのが印象的。自殺するときは頭の糸を切り、出産の際は母親の糸が分かれ、戦争では「多くの血が」じゃなくて「多くの糸が」。糸があるので家には屋根はなく、雨の日は傘もさせないのでずぶぬれで、檻に捉えるのではなく天井が格子の部屋に捉えることで自由を奪う。(まあ、そんな世界やから突っ込みどころは満載やったけど。)
そんな世界観で"糸"をうまいこと使ってつながりが表現されていたと思う。日本ではただの翻訳ではなく脚色を付け加えた日本ヴァージョンでの公開となっているのだが、とにかくストーリーが単純なだけにストレートに伝わるいい作品やった。

しかし、あの泳ぐシーンは操っているんやろか・・・。