2015年7月25日

富岡世界遺産めぐり

群馬の製糸関連世界遺産を周りに群馬まで。
軽井沢から碓氷峠を越えて群馬に入る。10度以上の温度差。さすが。

碓氷峠を越え、18号線の旧道で群馬側に入った先にある、もともとJRってか国鉄の路線だった、メガネ橋と呼ばれる日本最大のレンガのアーチ橋、碓氷第三橋梁に寄る。もともと富岡製糸場とともに世界遺産の構成遺産となっていたらしい。
明治26年に竣工の歴史があり、昭和38年に廃線になったにもかかわらず、今でも遊歩道の橋として残っている。そんなに古いとは思えないかっこいい佇まいが印象的。

富岡市に入る。
駅近くにある駐車場に止めて、製糸場の開場までポタリング。商店街を中心に広がるコンパクトな街並みで、やはり世界遺産効果で新しく観光用にお店が増えた感じ。
商店街にあるお店で製糸場のチケットを購入して、製糸場へ。
小さいながらもちゃんと自転車用の駐輪場があるのがありがたい。

見学料が倍になったとはいえ人気は継続してて、オープン前から少し並んで入場。そのまま解説員さんによるガイドに参加。
解説員さんは元地元で先生をやっておられた方を中心に始められたそうで、さすがに説明の話し方や量がちょうどよくてうまい。

日本の産業革命で、絹を庶民へ広めたりすることを可能にした、近代技術による日本初の製糸工場で、ほとんど完全に残る官営工場。
広い倉庫と製糸場からなり、倉庫部分は展示スペース、製糸場は、看板制やったんがわかるくらい昭和62年に操業停止時のほぼそのままを見学できる。
いやー壮観。

フランスの方のための邸宅や宿舎もそのまま残っている。特別待遇っぷりがわかる。
倉庫内の展示スペースでは機械ではなく手動での製糸の実演などをやっていた。個人的には糸巻きが懐かしくて、お土産物屋さんで売ってたのを買って帰った。(店員さんに、買うんですか?って感じで軽く驚かれた。)

富岡を後にし、次のところに行こうとした途中、「こんにゃくパーク」なる看板を見つけて寄ってみた。
まったく知らなくて、ちょっとした道の駅くらいかと思ってたら、まったく違って、車はいっぱいで観光バスが何台も止まっているほどすごい人気スポット。
体験や試食できるらしかったけどものすごい並んでたので、お土産分だけ購入。いやー、すごい。

藤岡市にある高山社跡へ。
こちらは建物というより、主人の高山長五郎が、1800年代後半に、養蚕を行なう手法の一つ清温育を確立し普及を行った場所としての意味を持って世界遺産に登録されている。
一見、立派な石垣の邸宅やったんやろなという感じだが、中に入ると一階は普通で、2階が養蚕のためのスペースになっているのがわかる。
こちらも製糸場と同じく、地元の解説員の方がいろいろ説明してくださる。商売とかじゃにのでほんとアットホーム過ぎる。

伊勢崎市(とはいえ利根川を挟んで埼玉県の飛び地になっている)境島村にある田島弥平宅へ。
こちらも高山社同様に、建物だけでなく、養蚕手法を確立し、天覧の書籍を刊行し、ミラノ直販を行っていた養蚕業者、蚕種製造、販売業者の田島弥平さんの業績も込みで登録されている。
世界遺産委登録されている建物は、今でも子孫の方がお住まいなので見学はできないが、近くの公民館的なところで解説を聞くことができる。
ここでも、やぱり元先生方が説明してくださるので、説明がおもしろい。
いろいろ見せてもらったり、聞きながらで、個人的にはかなり楽しかった。(なんとなく世界遺産だからとぷらっと来る人が多いというので、俺は呉服は多少わかってるし、知りたいと思ってきてるから違うよ、といろいろひけらかしたり質問投げたところ、スイッチが入ったように詳しくいろいろ教えてくれはった)
公民館的なところでの説明の後、じゃあ周辺も案内しますよ、と言ってくださったので、田島弥平さん宅以外にも現存する、やぐらこと二重の屋根がある元養蚕をやっていた家などを散歩しながら紹介してもらった。今でも住んではるので、自分達で歩き回ってたら人の家をジロジロ覗いてる怪しい人になるとこやったので、ちょうどよかった。

ちなみにいまは飛び地で、小学校が廃校になるくらいの小さなところであるが、政治や経済の大物が数多く生まれ育ったところだそう。(養蚕と違って、政治経済はわからないのでついていけなかった。)

やっぱり、ちゃんと説明してもらえるとすごく楽しい。

富岡製糸場関連は、こんな感じで解説員などの形で退職された方を中心に地元の方が参加されていたのが印象的で、さすがに製糸場は人が多いけど、他はものすごくアットホームで楽しかった。
こういうふうに世界遺産が地元にも生かせているのはいいなと思う。

その後、宿を取ってた埼玉の川越に移動。暗くなったけど、蔵の町並みを久しぶりに見ようと思って行ったら、この日はお祭りで、すごいたくさんの人で盛り上がってた。
夏やなぁって感じ。